2008/06/11

「モンスター」になりたがる若者たち

先日、秋葉原で起きた殺傷事件は、死傷者18名という大変痛ましい出来事でした。捕まった加藤智大という25歳の若者は、優等生、おとなしく、礼儀正しい人物だったといいます。

小誌発売号では「『無差別殺人』が若者に広まる最大の理由」をレポートしています。社会学者の芹沢一也氏は、その中で、無差別事件が続くのは「コピーキャット(模倣犯)」であるとコメントしています。今回の事件で、犯行直前まで加藤容疑者が利用していたとされる携帯掲示板には、「『誰でもよかった』 なんかわかる気がする」という異常犯罪への共感が綴られていました。犯行の念頭には年始来続く、無差別殺傷事件があったのではないでしょうか。
コピーキャットが出現する理由については、レポート執筆者の藤井誠二氏が、こうした世の中を震撼させる凶悪犯罪に対し一部の若者が「あこがれ」を抱いていると指摘しています。なるほど、犯人はマスコミを通じ日本中を騒がせるのですから、一時的には倒錯した優越感が得られるのかもしれません。
自戒を込めていいますと、マスコミはしばしば、若年犯罪者を得体のしれない「モンスター」として描き報道します。それは文字通り、凶暴な力で理不尽に市民を襲う「怪物」像です。しかし、その実像が「社会に追い詰められ心を病んだ一若者」であるケースも多々あります。「いつも悪いのは全部俺」「(自分は)無価値です。ゴミ以下です」ーー。加藤容疑者が書いた掲示板は、孤独と悲壮感に溢れています。
無辜の市民を手にかけた加藤容疑者に同情の余地などありません。が、若者を「モンスター」に仕立て上げるスペクタクル的報道は、「コピーキャット」を増やすだけではと考えています。
亡くなった方々のご冥福をお祈りします。
<栗>
posted by リベラルタイム at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事
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